【短編】僕+初恋=後輩
3年の夏
窓とカメラと風と…
夏休みだった
僕――
石浦憲弍良『イシウラケンジロウ』は化学教室にいた
僕は高校3年生
程よくモテるらしい(自覚ナシ)
要するに受験生だ
もう学祭も終わり、3年は引退して、写真部の拠点、2階の化学教室にはもう馴染みの顔は現れない
では何故いるのか?
まだ、趣味の写真から離れられないからだ
暑いので窓という窓を全開にしてる
今日はよく風が吹く
カーテンは風と共に舞っている
その向こうに透き通った碧と翠の木々
―――このシーン…
「いい被写体だ」
そう言って、指で枠をとる
写真に収めたくなり、綺麗に磨かれているキズだらけのデジタルカメラを手にとり、パワーONにする
場所を確認し、シャッターをきろうとしたその時――!!
「よっとッッ!!」
「うわっ!!」
あまりのイキナリの出来事でずれて違う所が撮れてしまった
「な……なにしてるんだ?」
まだ動揺を隠せない僕はそのままの状態で声の主に聞いた