【短編】僕+初恋=後輩
3年の冬
鉛筆と目薬と銀と…
あれから僕は莉緒の温もりを忘れられなかった
日に日に想いが募っていった
センターまであと1週間
果たして第1志望のN大に行けるのか…?
センターの2日前にN大の近くのホテルに泊まる
僕は化学教室で勉強していた
最後の大詰めだからな
マークシートにはもう慣れ、模試でも余裕の合格圏内だ
でも、油断は出来ない
勉強をもっとしたいところで、校舎施錠時刻が近付いてきた
仕方ない
荷物をまとめて目薬を持ったまま化学教室から出た
「あ…!!」
小声が聞こえた
聞こえた方を向くと――…
誰もいない