【短編】僕+初恋=後輩
誰だったのだろうか…?
僕は疑問に思いつつ、自販機のある廊下を歩いていた
そこでホットコーヒーを買い、飲みながら玄関に向かった
外は雪が降っている
少し積もっていた
莉緒に会いたい
そんな想いはコーヒーの中に入る雪の様に、
暖かいものから寒い所へでる湯気の様に
儚く、すぅっと消えてしまいそうだった
「憲弍良先輩…」
僕はあと一歩で昇降口を出る所にいた
その声は綺麗で凛としているでもそこに優しさがある
聞いたことのある声だ
僕はすぐ振り返り、『彼女』のもとへ走った
「莉緒…っ!!」
「憲弍良せんぱ…っ…」
莉緒の目には今にもこぼれそうな涙で一杯だ
時期にこぼれる
そんな莉緒は『女の子』そのものだ
「我慢してたんだね…僕から会いに行けば良かったのに…ごめんね」
「そんな…先輩は…ヒック…悪くないェク…です…よ…ック…」
「莉緒――…」
僕はコーヒーを何処かにやり、彼女を抱きしめた
莉緒の泣き顔を独占するように…