【短編】僕+初恋=後輩
聞こえてはいけない声が聞こえた
その声は
莉緒の声――…
「莉緒っ!!」
莉緒のもとへ駆けつけたくなった
だが、もう改札口を通ってしまった
莉緒も、入場券を買わないと通れない
僕はぎゅっと拳に力を入れた
「さよなら」
僕はそう言って莉緒に背を向けた
「憲弍良先輩ッッ!!」
トッ
ダンッッ!!
トンッ
ホームに向かう階段をおりている時だった
誰かが、僕を後ろから抱きしめてきた
腕の細さからしてこの人は――…
莉緒だ…