あたしと彼の物語
嵐の前の静けさ…
最近、身体がおかしい。
___詩春side___
異変に気付いたのはつい最近。
ちぃちゃんが家に遊びに来た時。
その日僕は、少し体調が悪かった。
だから断ろうかな、とも考えた。
でも、ちぃちゃんがあんまり楽しそうに笑うから。
僕は、期待に応えたいと思った。
「…んー、おっけぇー。」
だから、僕はこうこたえた。
「ああっ!あたしのプリン!!!」
「嫌、もともと僕のだし。」
本当に、ヤバくなってきたかも。
ちぃちゃんが、僕のプリンが欲しいだなんて言い出した。
僕は内心戸惑ったけど、なんだか風邪じゃないような気がしたから一口あげた。
ちぃちゃんが『甘い!』って言いながら笑っていたから、僕はすごく幸せな気分になった。
よかった。喜んでくれて。
プリンを食べ終わって立ち上がろうとしたら
さっきまで忘れていた吐き気と身体のだるさが僕を襲った。
ああ、やばい。倒れる………_____
倒れそうな僕を、ちぃちゃんが支えてくれた。
ごめんね、ちぃちゃん。
僕は大丈夫。
寝てれば治るよ。