あたしと彼の物語
唐突すぎて自分が何を問われたのかわからなかった。
けれど何か凄いことを聞かれたような気がする。
まるでそこら辺に投げ捨てるような言い方。
ぐるぐると錯乱する頭の中を必死で整理した。
『あたしって、必要?』
なに言ってるのさ。
僕はちぃちゃんが居なかったら何にも出来ないただの「物」だよ。
ちぃちゃんが笑ってくれるから、僕も笑えるんだ。
自分勝手な親を二人とも亡くした僕に
残ったものはちぃちゃんだけなんだ。
必要なんてもんじゃないよ。
僕、きっとちぃちゃんが居なくなったら生きてけないな。
見なくてもわかるよ。
ちぃちゃん。
そんな悲しそうな顔しないで…