許されるなら‥‥もう一度
一章
私‥‥筒井 凌(つつい りょう)25才
会社員
彼‥‥遠田 一輝(とおだ かずき)30才
大学教授
私と一輝さんは、付き合って三年になる。
彼は、私が通っていた大学の教授。
私が、大学を卒業した日に、
一輝さんから、告白をされた。
大学の四年間、ずっと一輝さんに
憧れ続けていた私は‥‥
なんの迷いもなく彼を受け入れた。
一輝さんの、お父様も大学教授。
父は、俺が幼いときから
とても厳格な人で厳しく育てられた。
と、話してくれた。
でも、今のお父様は、とても優しくて
私の事もとても可愛がってくれている。
もちろん、お母様も。
お母様とは、買い物に行ったり、
お料理したり、
ガーデニングを楽しんだり‥‥
私は、一輝さんのご両親が大好きで
お宅にも良く伺っている。
私が、一輝さんのご両親と
話しているのを見て、
彼は、時折、切なそうな、
嬉しそうな眼差しでみている。
その切なそうな瞳に
どんな意味があるのか
わからなかったが、
深く考えていなかった。
あの時‥‥‥‥‥
きちんと聞いていたら、
あんなことには、
ならなかったのだろうか?
それとも、運命だったのか‥‥‥
今の私に、わかるはずもない。