許されるなら‥‥もう一度
あれから毎日、
一輝さんは、凌馬君の病室に通い
彼の移動を手伝ったり
シャワーの時に一緒に入ったりしていると
嬉しそうに報告をしてくる
······ 一輝さん·····。。
「凌、きいてる?」
「うん。聞いてるよ。」
「凌との間に子供ができたら、こうかな?
凌馬は、とても素直ないい子なんだよ。」
と、話していると‥‥
「一輝、何してるの?
凌馬が呼んでるよ。」
と、一美さん。
「あっ、ごめん、ごめん、
じゃな、凌。」
と、言って電話は切られた。
最初の一、ニ週間は
一輝さんから病院での様子を
知らせる電話があった。
でも、必ず話していると
一美さんが呼びに来て
電話を切られる。
一美さんや凌馬君との
やりとりは幸せそうで
まるで家族のようで
それを毎回聞かされ
私の精神も限界にきていた。
そんなとき、
一輝さんのお母様に呼ばれて
自宅に伺った。
お母様と料理したり、
花壇の手入れしたり
ゆったり過ごした。
「凌ちゃん、やせたんじゃない?
なにか、あったんじゃないの?」
と、お母様。
「何にもないです。
大丈夫ですよ。
ちょっと、仕事が忙しいだけです。
でも、頑丈だけが取り柄ですから。」
と、言うと。
「一輝は、何をしてるの?
早く、結婚して凌ちゃんを
幸せにしてあげたら、いいのに。」と
一輝さんが、今していることは、
知らないのだと思った。
お母様にお友だちから電話が入り
私は、お父様の元へ
「お父様、前に一輝さんの大学時代の
話をしてくれましたよね。
あの時の謝罪が、出来るときがきたら、
受け入れてくださいね。」
と、話すと
「凌に辛い話をして、申し訳なかった。
誰かに聞いて、貰いたかったのだろうな。」
と、言われた。
私は、首を横に振って
「大好きなお父様が、少しでも
楽になってもらえるなら
私はかまいません。」
と、言うと
お父様は、
「ありがとう。」
と、言ってくれた。
一輝さんの家で
お父様とお母様と楽しく過ごして
私は‥‥帰宅した。