許されるなら‥‥もう一度
一輝‥‥サイド
凌馬は、最初から俺になついてくれた。
幼いときに、父親を亡くしているせいか
俺に父親になって欲しいと。
毎日が、充実していた。
病院と大学の往復の生活だったが。
凌の家より、大学からの方が
病院に近かったので、
大学に寝泊まりする日が
多くなった。
最初は、凌に連絡入れていたが
だんだんと‥‥
凌馬と一美と一緒にいる
罪悪感と‥‥‥
凌馬が、
「そばにいて。」
と、言って
離れないから
連絡が取れなくなっていた。
とらずにいると‥‥
今度はかけにくくなってしまい····
ひと月半が過ぎたとき、
凌馬が退院となり
一美の家に戻ることになった。
凌馬の退院の日に
俺は、
「俺のやれることは、終わった。
もう、二度と会うことはない。
本当にすまなかった。
いつまでも元気で。」
と、伝えた。
それに
「結婚したいと思っている、
大切な人がいる」と‥‥‥
だが、凌馬が納得してくれなくて、
泣いて、俺から離れない‥‥
無理矢理、剥がすこともできず
毎日、説得をしていたが‥‥
5歳の子に大人の都合は理解できない。
俺は、また間違えたことをしたのか
そんなときに、母から連絡かきた。
凌から、俺の荷物が送られてきたと。
「なぜ?どうなっているの?」と
それに、
「先日凌ちゃんがきたときに、
疲れたようにやつれていた」と。
直ぐに、凌の家に行くが
鍵が開かない······
変えてる?
それから、凌の携帯にかけるが、
繋がらない‥‥
なんども、なんども‥‥毎日かける。
やっと、繋がって
ほっとしたとき·····
聞こえた声は、凌のお父さんだった。
なぜ?海外にいる、お父さんが‥
と考えていると
怒涛の如く、怒鳴られ
「二度と、凌に近づくな。」と。
凌‥‥
俺は、また、大変な間違いを犯したのか
なんども、
「凌に会わせて下さい」
と、頼むが、それは許されなかった。
近づいたら、全てを無くすことになると
凌のお父さんなら、あり得るだろう。
そのとき‥
父から自宅に来るようにと
連絡がきた。