許されるなら‥‥もう一度
二章

私は······という····と
家族は、父だけである。

母は、私が幼少の時に病気で亡くなり
それからは、
父が一人で、私を育ててくれた。

私は、大の父っ子だから、
寂しいとか思ったこともない。

私が大学卒業と同時に、
父は、単身で海外に行った。
「凌、一緒に行かないか?」
と、言ってくれたが、
会社への入社が決まっていたのと
一輝さんと離れたくなかったので
父には、一人で行って貰うことに。


もちろん、一輝さんとも、
父は、会っている。

今、私は自宅に一人で暮らしている為
ご両親と暮らしている一輝さんが
週の半分以上を、私の所で過ごしている。


いずれは‥‥
一輝さんと結婚できたら‥と
夢みているが·····
彼からは·····
まだ·····そんな話はない·····。。


待っていて、良いのか?
と‥‥時々‥‥不安になる·····

今日も仕事が終わって、
私が夕飯の準備をしていると

玄関から、
「ただいま。」
と、一輝さん。

「おかえりなさい。」
と、私。

夫婦みたい‥‥‥で、照れるなって、
思っていると

一輝さんが·····

「凌!」と、手を広げるから

私は、その胸に飛び込んで、
優しさに包まれる。

ひとしきり、抱き締めてもらい、
顔をあげると‥‥
待ち構えていたように
一輝さんからキスの雨。

くすぐったくて、
腕から抜け出そうとすると
クスっと、笑われて
唇にチュッとリップ音をされて
離される。
その時‥‥耳元で
「続きは後で」···‥と、囁かれ

私は、真っ赤になりながらキッチンへ
向かった。
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