許されるなら‥‥もう一度
十四章
あれから、三年
「パパ、ママの所に早く、行くよ。」
と、輝。
輝は、四才になった。
しっかり歩き、しっかり喋るようになった。
「輝。ちょっと、まって。」
と、俺。
俺達は、あの日から
少しずつ、ほんの少しずつ、
距離を縮めていき
去年、正式な夫婦となった。
「よし、準備できたよ。
じゃ、行こうか。」
と、二人で出掛けた。
< コンコン >‥
「ママ、きたよ。結(ゆい)は?」と、輝。
「いらっしゃい、輝。
結は、もうすぐ来るよ」と、私。
ガチャと扉があき
「凌、体調は、どう?」と言いながら
凌のおでこにチュっとする。
「大丈夫だよ。一輝
それより、輝を任せてごめんね。」と
「問題ないよ。輝は、
とても、いい子だもんな」
と、輝の頭を撫でると
えへへ、と輝は笑っていた。
もう一度、ドアが開き
「はい。遠田ベビーですよ。」
と、ナースが。
とても、愛らしい顔をして寝ている
この子は、« 結 »(女の子)
俺と凌の第二子だ。
離れていた、俺たちが
二度と離れる事がないように
お互いが、唯一無二であり
二人を結ぶ意味で、この名前にした。
今日、凌は退院して自宅に帰る。
さあ、家族四人で家に帰ろう。