ヒスイ巫女4

2人

空、スイが小学校に行っていたある日の楼宮ー
ヒスイは暇を持て余していた。
いつもは陸の手伝いなどをしていたのだがもうあとは陸が印を押すだけだったので休みができたということだ。
ヒスイは楼宮の中をブラブラと散歩しながら今日の夕方まで何をしようか考えていた。
(空とスイは小学校だから夕方まで帰ってこないし、蒼は仕事中だし…)
最近は休みがなかったので休みの日に何をすればいいのか分からなかった。
結局ヒスイは楼宮の中にある巫の泉と呼ばれるところであし水をしていた。
「ヒースイ」
唐突によばれた自分の名前に驚くヒスイ。
「え、なんで?仕事は?」
名前を呼んだのは蒼であった。
仕事中のはずなのにここにいる蒼にヒスイは疑問が湧き続けた。
「仕事は今日は早めに切り上げた。」
早めと言っても今は完全朝早すぎる。
「な、なんで?」
「え、決まってるじゃん」
蒼は当たり前という顔をしているがヒスイはきょとんとしている。
「ヒスイと久しぶりに一緒にいるためだよ」
満面の笑みをヒスイに見せた。
ヒスイは話の内容を理解した途端顔が熱くなった。
「あーヒスイ顔赤くなってるそんなに嬉しいんだー」
「ち、ちがう。ただその…」
ヒスイはそのあとの言葉が浮かんでこず、ごもごもとどうしようと言うだけであった。
「ヒスイ!久しぶりに行こ!」
ヒスイは足を拭きながら
「へっ?どこに?」
もっともな質問
「もちろん…
ヒスイは首をかしげた。
街にだよ!」
「えー
ヒスイが叫んでいる一瞬のうちで蒼はヒスイをお姫様抱っこし、ムーブメント(転送)を使った。
ー。」
ヒスイが叫び終わった時にはもう街に着いていた。
「えっと、蒼ちょっと待って蒼はとっても目立つんだから変装もしないで外を出歩いたら騒ぎになっちゃうよ。」
「まぁ、確かに…でもなヒスイお前もだ。お前も目立つんだから変装しろよ。」
2人は変装といってもメガネと帽子のみバレたら街に混乱を招き、内緒で抜け出してきたので陸に怒られるのは間違いない。怒った陸ほど怖いものはないのだ。
「で?どこに行くの?」
「うーん、どこでもいいけど…ヒスイは?」
質問返しをされたがヒスイは前から行きたいと思っていた雑貨屋さんの名前を出した。
蒼はまたムーブメントでその店の前までとんだ。

< 21 / 78 >

この作品をシェア

pagetop