ヒスイ巫女4

琉生がそう思った時にはヒスイは高笑いになっていた。
その不気味な笑い声に琉生は何か奇妙なものを感じていた。
やっと笑いが止まったかと思うとヒスイは話し始めた。
｢本当に私は無様だ。｣
そういうとヒスイは黒色の光を身にまとった。
手の縄も灰のような姿になり地面に落ちた。
琉生はそう異様なヒスイを見て後ずさった。
先ほどのただ泣いて助けを願う女の子ではなくなっていた。
怪しい笑顔のままヒスイは琉生に近づいた。
兵士もその不気味さに体が動かなくなっていた。
ヒスイが琉生に1歩近づくたび琉生も後ろに下がっていく。
だが足をもつらせ地面に座った。
ヒスイはゆっくりと近づき、琉生を見おろす姿になった。
｢琉生さま、あなたは言った。｣
皮肉の意味も込めヒスイは琉生さまと呼んだ。
｢あなたは私に自分の死にかたについて教えろと言った。それを教えてあげる。｣
優しく言っているがその心に優しさはない。
｢私は不老不死そう言われている。でも実際は不老ではない。人間と同じ年をとる。寿命それが私の死ぬ方法。でもね…｣
ヒスイの手が周りの黒い光より黒い光に包まれた。
｢私は破壊の力がある。私はこの世界そのもの。人々が教えをこう神そのもの。私がこの世界を壊せば自動的に私も死ぬ。こんなこと今更思い出すなんてね。｣
ヒスイは晃の死後、突如脳内に記憶が呼び出されたその中に死の方法も記されていた。
｢琉生さま、あなたに1番に見してあげる。この世界が破壊される姿を！｣
そういうと漆黒に光る手を地面にぶつけた。
地面には黒色の光が充満し、光があたると地面にある土は水分を失い、その近くにある植物は枯れ果てた。
そしてその光は兵士を包み込み鎧も人も全て溶かし灰になった。
琉生の足にも光が侵食していく。
｢ヒ、ヒスイ｣
震えながら琉生はヒスイの名を呼んだ。
ヒスイは琉生に向けた今までで1番の笑みをうかべ
｢さようなら｣
琉生の体は灰になった。
琉生の体が灰になった後漆黒の光は街に向かった。
ヒスイは世界を壊そうとしていたのだ。