ヒスイ巫女4
「ヒスイ!」
そういい、ヒスイを抱きしめたのはかつての姉であった。
「緋音お姉ちゃん。久しぶりだね。」
何年、いや何百年ぶりの姉妹の再会であった。
うんうんと緋音が涙を流している。
「ごめんね、ヒスイ私がー」
緋音の言葉が遮られた。
「あれは私を守るためにしてくれたこと誰も悪くないし、恨んでもいない。だから気に病まないで。」
そして続ける。
「私はお姉ちゃんとまた出会えたことが何よりも嬉しい。ありがとう。お姉ちゃん。」
続いて、兄2人を見る。
「お兄ちゃん、あの時私が破壊の力を使った時被害が最小限でとどまったのはお兄ちゃんたちのおかげでしょ?ありがとう、いつも影で私を守ってくれて..感謝してます。」
ヒスイは頭を下げた。
兄たちは目頭に涙を溜める。
あんなに小さく弱かったヒスイがこんなにも大きく強くなっていたからだ。
((立派になったなヒスイ..))
そしてヒスイは晃の方に歩みをよせる。
「晃、あの日最期まで迷惑かけてごめんね。それと…本当の最期の最期まで愛してくれてありがとう。」
「俺こそ…お前と出会えて良かった。来世でも愛してくれてありがとう。」
お互い抱きしめあう。
そんな様子は皆微笑ましく見ていた。
もうこの世界に強大な悪はない。
ヒスイは晃たち3人をまとめた。
そしてトレジャートレーション(転生)を使った。
琉生と同様に光になっていく「皆、またどこかで会えるのを願うよ。」
そして天へと帰っていった。
最後まで見上げていたヒスイは蒼の方を見た。
蒼は手を差し出し
「一緒に帰ろう。」
スイ、空、ヒスイ、蒼、家族全員で巫女の国に帰ろうと言った。
ヒスイはその手を握った。
ー否、その手を叩いた。
「私は帰らない。」
ヒスイはただその一言をぶっきらぼうに言った。
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