きれいな恋をしよう
 フミオのかよう大学の同級生のライヴだ。
 おれはフミオに誘われて、吉祥寺のライヴハウスまでついていった。
 横浜から吉祥寺というのは、意外と遠い。

 麻井さんというのは、フミオをライヴに誘った張本人で、ライヴの出演者でもあった。
 バンドではなく、アコギの弾き語り。
 曲は、詳しくは覚えてないけど、ケータイ小説みたいな失恋のうたがおおかった。
 そこそこよかった。

 ライヴが終わったあと、フミオとおれ、それとその麻井さん、その麻井さんの友人である小栗さんの4人でファミレスに行った。
 それなりに楽しかったけど、話の内容とか、やっぱり詳しくは覚えてない。
 あまりにどうでもいい内容だったからだろうとも思う。日が経つにつれて、からだからすぅっと静かにぬけてしまったみたいに、そこの記憶だけがない。
 でも、音楽の話はあまりしなかったように思う。

 小栗さんがかわいかったことは覚えてる。
 麻井さんについての記憶はほとんどない。
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