【完】幼なじみのあいつ
あれからお昼御飯を食べた私達修学旅行生達は、新幹線に乗り込み家へ帰って来た。
家までの帰り道、必然的に家が近い私と翔ちゃんと亮ちゃんの3人で帰る事になるのだけれど…、
私を挟んだ両側2人はたまに私に話しかける位で、翔ちゃんと亮ちゃん二人の会話は全くと言っていいほどなかった。
本当にどうすれば良いのかな?
歩きながらずっと考えていたけれど、原因が分からなくてはどうしようもない。
「もうすぐ地区予選が始まるな」
翔ちゃんの言葉にはっとする。
修学旅行では翔ちゃん、亮ちゃんの事で頭が一杯ですっかりバスケの地区予選がある事を頭からすっぽりと抜け落ちてしまっていた。
そうだった!
もうすぐ始まるんだ、地区予選---
大会の事を考えると、胸がドキドキしてくる。
女子バスの方は男バスに比べると弱いので、県大会に出るほどの実力は悲しい事にない。
それでも、頑張ろうっ!!!
「翔ちゃん、お互いに頑張ろうねっ!」
「おうっ!」
この時の翔ちゃんは修学旅行中、見せる事のなかった眩しい笑顔を見せてくれてた。
それが嬉しくて、私も自然と笑顔になる。