【完】幼なじみのあいつ
女子バスの地区予選2回戦は明後日の為、今日の練習はかなり遅くまでやったから外はもう真っ暗だ。
もう、心身ともにクタクタで早く家に帰りたいよぉ…。
暗い住宅街の夜道をトボトボと歩いていると、見知った人が前を歩いているのが見えてホッとした。
「翔ちゃーーーんっ!!!」
疲れているこの身体では、翔ちゃんまで走る事が出来ない。
だから翔ちゃんを、呼び止めようと大きな声を出してみた。
しかし当の本人は一瞬立ち止まって私を見たが、すぐにまた歩き出してしまう。
角を曲がって、そのまま姿が見えなくなった。
絶対翔ちゃん、私の事気がついてたよね?
何で無視するのよぉ~!
すっごくムカついたからブツブツ文句を言いながら、小石を蹴った。
それでもムカムカが止まらない。
「翔ちゃんのバカーッ!」
大声で叫んでやった。