【完】幼なじみのあいつ
それから暫く話しをしていた、私達。
あれ?
何だろう?
いつの間にか去っていた睡魔が、またやってきたようで眠くなる。
ダメだ…、
瞼がゆるゆる、落ちていく。
フラリと窓の端に寄りかかった私はそれでも必死に瞼を上げようとするが…、
……ダメ、
目を開けていられない…。
「……しょ………ちゃ…っ」
力が抜けていく感覚がすると同時に、頭はカクッ倒れた。
すぐに持ち直したけどもう、崩れ落ちそうだ…。
「鈴?…眠いのか?」
「…んーーっ……」
ダメだ…。
あまりの眠たさに、翔ちゃんに返事すら出来なくなっている。
次第に身体の力が抜けていき、ついには座り込んでしまった。
眠くて力が出ない。
ベットまで歩けないよぉ。
もうベットに行くのを諦めた私はもういいや…と、壁に寄りかかったまま寝る体制にはいってしまった。
後で起きた時、布団に潜ればいいよね?
ホント、今が夏で良かった。
これが冬だったら風邪を引くのは確実だな…。
あ、翔ちゃんに何も返事が出来なかったけど…、
もう、いいや---
だんだんと夢の中へと引きずり込まれていく感覚に、身を委ねる私。
すると突然、部屋の網戸の開く音が聞こえてきた。
ほんの少しだけ、現実へと引き戻される。