【完】幼なじみのあいつ
試合が始まってから6分ほど時間が経ち、そろそろ前半の第1クォーターが終わる。
今の所、接戦の末五分五分の点数だ。
…凄い試合。
あまりの白熱した試合に興奮して、私の胸は躍りっぱなしだった。
「あっ!」
ボールが翔ちゃんの手に渡った。
それを素早く翔ちゃんをマークしていた相手チームが、邪魔をしてくる。
翔ちゃんはドリブルしながら、このマークをどう突破していこうかと考えている様子。
動き出した翔ちゃんが、インサイドアウト・フェイク・ドリブルをした!!!
クロスステップで方向を変えると見せかけサイドステップに切り替えたり、ドリブルもフロントチェンジと見せかけると言う、フェイクテクドリブルっ!
凄い、凄いよ~、翔ちゃん!
翔ちゃんの全ての動きが綺麗で、自然と目が奪われる。
コート内にいる翔ちゃんが、私にはキラキラ光って見えた。
いつの間にか2分間の休憩となりその間、皆でどうするか固まって話し合っている。
話し合っている皆の姿がとても生き生きしていて、羨ましく感じた。
やっぱり私も、試合に出たかったなぁ~---