【完】幼なじみのあいつ


「ここじゃ何だから、俺の部屋に来てくれ」



亮ちゃんの部屋か。


そういえば小学生以来、行ってないなぁ。




どんな部屋になったのか、ちょっと楽しみかも。



私は2つ返事でオッケーした。




 * * * * *




「あれーっ?昔、沢山あったプラモデルはどうしたの?」



亮ちゃんの部屋にあった、プラモデルが一つも無い。




何だろう?


昔とは違って大人っぽくなってしまった部屋に、そわそわしてしまう。




小学生の時、使っていた木目調デスクは、黒色のシックな机になっているし…。




昔とはあまりにも変わってしまった亮ちゃんのこの部屋は、知らない人の家に来たみたいでどうにも居辛い。




「プラモは、小学校を卒業したと同時に箱にしまった」



あら?


箱にしまったんだ?



捨てたんじゃないんだね。



自分の思い出をすんなり捨てる人じゃない亮ちゃんに、昔とどこか変わってしまったように感じていた私は安心したからか肩の力が抜ける。




私はそっか…、


と言いながら、テーブルの前にあった黒くて飾り気のないクッションの上に座った。




どこに座ろうか迷ったんだけれど、座れる場所はこのクッション以外ベッドしかない。


座るならやっぱり、このクッションしかないよね?


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