【完】幼なじみのあいつ
あー、あっついなぁ~。
次は早紀ちゃん、私を熱射病にする気なのかな?
あまりの暑さにイラつき、くだらない事を考えてしまったとすぐに反省。
まさかそこまで、考えわけないしね。
しばらくするとようやく早紀ちゃんが、私の前に現れた。
「こんにちは、鈴さん。突然呼び出してごめんなさいね」
全くごめんなさいと言う感じの言い方ではない、どこかぶっきらぼうな言い方にビックリだ。
でもここは、冷静に対応しなちくちゃね。
「こんにちは。………で?早紀ちゃん、用件は何?」
「…田宮君に………、言ったでしょ?」
何を?
とは聞かない。
それはきっと、私を階段から突き飛ばした事であろう事はすぐに分かったから。
戸惑いなくキッパリ一言、私を睨みつけながら言った早紀ちゃん。
昨日の今日でもう、早紀ちゃんに言ったんだ?
亮ちゃんの行動の早さに驚きながら、頭を縦に振る。
バシッ!!!
一瞬、頭が真っ白になり時間が止まったように私の身体が固まった。
次第にジンジンと頬に訴えるような痛みに、頬を叩かれたのだと気付く。
早紀ちゃん?
何で?