【完】幼なじみのあいつ
「…大丈夫だ」
そう言って亮ちゃんは抱きしめていた腕を緩めると、今度は私の顎に手をかけ上を向けさせる。
何?
と思った時には、頬にキスをされてしまった。
「…りょ、亮ちゃん?」
「これくらい許せ」
あたふたする私の頭を亮ちゃんは軽く撫で、そして笑顔を向けて去っていった。
誰もいなくなったこの場で一人、ボーゼンとしている私。
そして素直に、自分の気持ちを漏らす。
「絶対に告白なんて無理だから~~~っ!」
* * * * *
5時間目の授業が終わり休み時間になると、私は香織の席に行き昼休みの出来事を話した。
そして呼び出された時の紙を、翔ちゃん達に見せてくれた事のお礼も言っておいた。
「香織、昼休みは助かったよ。ありがとっ!」
「鈴が無事で良かったよ。…ホッペタが少し赤いけど、もしかして叩かれた?」
その言葉につい苦笑いをしてしまった私。
すぐに何があったのかを察知した香織は、痛そうだねって言いながら私の頬を撫でてくれた。
癒されるな~。