【完】幼なじみのあいつ


あれから数日たち、明日になれば夏休みという終業式の今日---



わーいっ!


なっつやっすみ~!!




…なんて喜んでいたのもつかの間、


………また、早紀ちゃんに呼び出されてしまいました。




場所はまた、裏庭なんですぅぅぅぅ。


行きたくない---




まぁ、行かないわけにもいかず、今回もまた誰にも何も言わずに終了式が終わった今、裏庭にやってきました。


今日は待たされることなく、先に早紀ちゃんが私の事を待っていてくれていた。




…が、あまり嬉しくはない。


今度は何をされるのやら?


やだなぁ…と思いつつ、早紀ちゃんの傍に近づく。



私の足音に気付いたのか、下を向いていた早紀ちゃんが顔を上げた。




「ごめんなさい!」


ドキドキしながら早紀ちゃんの動向を伺っていたら、ぺこりと頭を下げられて拍子抜けした私…。



色々と覚悟していただけに呆気に取られた私は、口をポカーンと開けてしまった。




「…あ、いえ。……気にしてないので頭をあげて?」


いつまでも頭を上げない早紀ちゃんに痺れを切らし、早紀ちゃんの肩をポンポンと叩いて頭を上げさせる。




「本当にあの時は、ごめんなさい。鈴さんに嫉妬しておかしくなってました。今はもう思い出すと恥ずかしくて…、本当にすみませんでした」


「うん、大丈夫。もういいから」



そう言った私にありがとう…と言いながら私の両手を握りしめ、目をウルませた。


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