【完】幼なじみのあいつ
「…それより、何であそこまで私に嫉妬してたの?私と翔ちゃんは単なる幼なじみだよ?」
そう言った私の言葉に早紀ちゃんは、驚いた表情で私を食い入るように見てきた。
何だろう?
その反応…。
私、変な事、言ってないよね?
「…えっ?!まだ鈴さんと翔ちゃん、付き合ってないんですか?」
は?
付き合う?
その言葉に私がビックリだ。
「な、何を言ってるの?早紀ちゃん。私と翔ちゃんが、つ、付き合うわけないでしょ?」
思わずどもっちゃったよ…。
一体、早紀ちゃんから見て、私と翔ちゃんってどんな関係に見えてるの?
幼なじみ以外にないじゃない?
「……本気で言ってるんですか?」
呆れた顔をしながら私を見る早紀ちゃんはその後、深いため息をついた。
何故、呆れられるの???
「何かもう…、見ていてじれったすぎますっ!翔ちゃんも何をやってるんでしょうね?…はぁー……、そう言えば翔ちゃんと私が付き合ったのって、私が告白してからだったっけ。翔ちゃんってヘタレですよね」
「へ、ヘタレ?」
私はもう、さっきから早紀ちゃんの言葉に驚かされっぱなしで、言葉が何も出てこない。
唖然と早紀ちゃんを見る事しか、私には出来なかった。