【完】幼なじみのあいつ
「おっ!いっその事、1on1で勝負しねー?」
イタズラっぽく笑う翔ちゃん。
きっと私には、簡単に勝てるとバカにしてるんだ!と言うのがイヤでも分かる。
「やる!そして、絶対に勝ーつ!!」
「へー?勝つ気でいるんだ?楽しみだね」
立ち上がった翔ちゃんに続いて、私も立ち上がる。
そして私に背を向けた翔ちゃん…を見た瞬間、思ったわよっ!
チャーンス!!
…ってね。
私はニヤケる顔を押さえきれないまま、ボールを翔ちゃんの頭に向かって投げた---
「った!!!」
やった!
翔ちゃんの頭にボールが当たった!!
瞬間、頭を擦りながら私を睨んでいる翔ちゃんに舌を出す。
「お前…、やったな?」
「翔ちゃん、避けられなかったねっ!」
満面の笑みで翔ちゃんを見ていたら、急に不敵な笑顔を私に向けてきた。
「ただ勝負するだけじゃつまんねーから、賭けでもしよっか?」
「…賭け?」
「勝った方が負けた方に一回、命令出来るっつーのはどうだ?」
命令出来る?
別に翔ちゃんに命令する事、ないしな~。
あっ!
翔ちゃんをパシッちゃおっかなぁ~~~っ?