【完】幼なじみのあいつ
翔ちゃんとの対戦後から、どうにも練習に身が入らなかった。
そりゃそうだよね?
翔ちゃんにこれから何を命令されるんだろうか?と言う不安から、御飯があまり喉を通らない。
そう、今の時間は夕飯の時間。
夕飯の支度は、女子が2班に別れて交代制で御飯を作ることになっている。
メニューは毎年決まっていて、それにそって作ればok。
因みに私の当番は次だから、明日の朝食だ。
うんっ!
今日の夕飯のカレーは美味しい。
こんなに美味しいのご飯を残しては申し分けないから、がんばって大盛りカレーを食べてます。
もりもり御飯を頬張りながら、悩みの元凶である張本人に目を向けて見る。
そいつは楽しそうに、仲間達と騒ぎながら二杯目のカレーを食べているところだった。
よく食べるなぁ~。
感心しながら目で追っていると、うわっ!
目が合ってしまった---
あたふたしながらも翔ちゃんから視線を逸らせないでいると、私の事など気にしていないのか、すぐに視線を逸らされてしまった。
目が合うのも恥ずかしくてイヤだけど、気にも留められないでいられるのもそれはそれで…、悲しいなぁ…。
「はぁーーーっ」
スプーンを片手に、大きくため息をついた。
すると隣の席でカレーを頬張っていた後輩の花ちゃんが、キョトンと私を見る。