【完】幼なじみのあいつ
「ふーん?…なんかやっぱり怪しいです」
「そんな事ないよ…」
うん、そんな事本当にないない。
残念ながら、全くそんなものないんだよ?
「鈴先輩達、お似合いなのになぁ」
「ブーッ…、ゴホッゴホッ---」
うっかりお茶を、口から出しちゃったじゃない。
花ちゃん、いきなり何言い出すのよ?
器官に入ってしまったお茶をケホケホと咳き込みながら出しつつ、少し噴出してしまったお茶をダイフキで拭き取った。
拭きながら花ちゃんをチラッと見ると、心配そうに私を見ている。
大丈夫だよ?
と言う意味を込めて、少しばかり顔を引きつらせながら笑顔でそれに答えた。
何、動揺しちゃってんのよ私---
「取り合えず、私と翔ちゃんは何でもないので勘違いしないように」
机を綺麗にしてから花ちゃんに、先輩の威厳を醸し出すような言い方をした。
しかし当の花ちゃんには、私の威厳が全く利かなかったようで…、
ふーん…?と軽く頷いていた。
「でも鈴先輩と翔先輩、美男美女なんだからお似合いのカップルですよ」
「………」
び、美男美女?!
あぁ…今、何も口に含んでいなくて良かった…。
何か口にしていたら絶対、また噴出していたよ---