【完】幼なじみのあいつ
あれは小学校低学年の頃だったっけ?
翔ちゃんと亮ちゃんと私の3人で暗くなるまで公園で遊んで、家に帰ったら物凄くお母さんに怒られたあの日のにかいだニオイに似ているなぁー。
「…何であの日は帰るのが夜になったんだっけ?」
うーん?
何だったかなぁ…。
ただ遊んでいて、遅くなったわけではなかったはずなんだけど?
私は何で帰りが遅くなったのかが気になり、過去の出来事を一生懸命思い出そうと頑張った。
「あっ!!!」
そうだ!キーホルダーだよ!!
たしかあの日の前日、お父さんから出張のお土産にキーホルダーを貰ったのを覚えている。
そして次の日、そのキーホルダーを翔ちゃんと亮ちゃんに見せようと公園にもって行って見せびらかしたんだった。
見せびらかすだけ見せびらかした私は、そのキーホルダーをポケットに入れて遊んで…。
帰る時、ポケットに入れてたはずだのキーホルダーがなかった事に気づいた私の為に翔ちゃんと亮ちゃんが懸命に探してくれたんだ。
結局、3人で公園内を必死に探しても全然見つからなくて帰ったのはかなり遅い時間。
懐かしいな…。
小さい頃の思い出に胸を熱くさせながら、それで結局あのキーホルダーはどうなったんだっけ?
と、記憶の糸を手繰り寄せる---