【完】幼なじみのあいつ
「…そうだ。翔ちゃんだっ!」
後日、なくしたキーホルダーを翔ちゃんが家に届けてくれたんだっけ…。
後で分かった事だけど、私がキーホルダーを無くした次の日から翔ちゃんが一人で探してくれていたって翔ちゃんのお母さんから聞いた事を思い出す。
そっかぁー。
翔ちゃん、私の為に探してくれたんだね。
翔ちゃんって面倒くさがりだから絶対に探してくれないと思って期待もしていなかったのに、キーホルダーを翔ちゃんが見つけてきてくれたって聞いた時は嬉しくって泣いてしまったっけ…。
あっ、そうそう。
私がある男の子から苛められた時、翔ちゃんが私の前に立って守ってくれた事もあったっけなぁ。
何だかんだ言いながら翔ちゃんってほんと、優しいんだよね…。
小さい頃の思い出に、胸が温かくなる。
そしてやっぱり私は翔ちゃんが大好きだと、再認識してしまった。
私はこれからもずっと、翔ちゃんと一緒にいたい。
ならば翔ちゃんへの告白はやっぱり必須なんだろうな…と、改めて思ったわけで---
また翔ちゃんに彼女が出来たとして、それをただ見てるだけなんてイヤだしね。
だったら玉砕覚悟で告白して、ダメだったらもうスッパリ翔ちゃんを忘れようと決意した。