【完】幼なじみのあいつ


次の日の朝、朝食当番の私は当番の人に混じって頑張って朝食を作った。


たまに母親と一緒に料理をしているからか、みんなの足を引っ張らず…と言うより何故か中心となってみんなを指示する側となってしまう。



ちょっとキャベツの千切りを披露してみれば、拍手が飛び交うしまつだ。


ほんと、恥ずかしい…。




そんなこんなで作り終った頃、早朝ランニングを終えたばかりの部の皆が食堂に集まってきて揃ったところでいただきますと手を合わせる。


食べながら翔ちゃんをチラ見すれば美味しそうに、私が作った卵焼きを食べていた。



思わず私の口元が綻んでしまう。


翔ちゃんのお口にあったようで良かったとホッとしながら、私も黄色い色のふんわりした甘みのある卵焼きを口に頬張った。



うん、美味しい!





気分は上々になりながら、食べ終わった私達は着替えて体育館に集合する。





「今日は毎年恒例、男女混合トーナメント試合をしたいと思います。皆、ストレッチが終わり次第、組み分け表を見て組ごとに分かれて練習して待っていて下さい」


女子のキャプテン有本さんがそう言って手を叩き、皆をストレッチに促した。




今年は私、誰と組むんだろう?



1年生の時も2年生の時も翔ちゃんとは組めなかったから、今年こそは翔ちゃんと組んでみたいなぁ。


バスケをしている翔ちゃんは何度も見ているけれど、一緒のチームで試合をした事がない。




今年最後の男女混合だし、絶対に翔ちゃんと組みたいけれど…。


こればっかりは難しいよね?




そんな事を考えているうちに、だんだんと気持ちが沈んでいった。



自然と溜息まで漏れ出る始末。



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