【完】幼なじみのあいつ
「あと、翔先輩と鈴先輩、やっぱりお似合いだと思いますよっ!」
花が咲くように笑った花ちゃんは、すぐに私に背を向け自分のマークすべき相手の方に向かっていってしまった。
お、お似合い?
今、そう言ったよね?花ちゃん---
瞬間、ボボボ…と顔が真っ赤に染まってしまった。
いきなり何を言うのよ?花ちゃんは…。
とにかく、今は試合中。
こんな事を考えている場合ではない。
気持ちを切り替えなくては!
カツを入れる為、自分の頬を両手でパンッと叩き私もマークする相手についた。
---試合終了の合図と共に、散らばっていた私達がコート中央へと集まる。
結局、2点差で私達チームは一回戦敗退となってしまった。
頑張ったのに残念だな…と思っていたところで、ポンッと肩を叩かれた。
「鈴先輩、残念でしたね。あんなに凄いアクロバティクシュートを決めたのにっ」
「恥ずかしいからその事はもう、忘れて…」
私は羞恥心から赤くなった顔を下に向けた。
「恥ずかしい事ないですよっ!私、興奮しちゃいましたもんっ」
花ちゃんのセリフに賛同するかのように、同じチームだった篠君とノブ君が横で頷く。
もう、その話しは止めようよぉ~。
恥ずかしすぎる---
「ほんと、すげーっス!今度、俺もやってみようかな?」
ノブ君は目をキラキラさせながら、握りこぶしを作る。