【完】幼なじみのあいつ
終章 それぞれの恋の行方


夏合宿が終わってから、今日で一週間がたった。


あれから翔ちゃんとは、デートどころか連絡さえしていない。



まぁ、お互い受験生という事もあるからしょうがないのは分かるけど…。




取り合えず私は今、机に向かって勉強を頑張っているところなのだ。




うーん、疲れた!


腕を伸ばしながら机の上に置いてある時計に目をやって、目を見開いた。



うわ!


休憩なしのぶっ続けで、三時間も勉強してしまったぁ…。



そりゃぁ疲れるわけだよね?


コキコキ…と首を鳴らしながら、自分の集中力に驚く。




もう後少ししたらお昼御飯か…と、肘をついて手の上に顎を乗せながらボケッと頭を休める事にした。





「うーーーんっ」


今はまだ、11時半。


お昼ごはんまで、30分はある。


集中力の途切れた今、お昼御飯の時間まで勉強をやる気力はなくてこれからどうしようか?と考えた。




………外でもプラプラしようか?


ふと思いついたのが、これ。



夏合宿が終わってからずっと、私は勉強三昧で身体を動かしていない。




このままジッとしてたら、老化しちゃいそうな気がしてバッと立ち上がった。





よしっ!


少し散歩にでも行こう!




思い立ったが吉日だ!…とすぐにエアコンの電源を消したのだが瞬間、ムワッと熱気が部屋に充満し後悔し始めた。



真夏のこの時期、しかも一番暑い昼の時間に出かけるのは無謀以外の何ものでもないような気がして躊躇する。




………エアコンつけて、ベッドの上でゴロゴロしてようか?


再びエアコンのボタンに指を乗せたところで、翔ちゃんの事を思い出した。




翔ちゃんは今頃、何してるのかな?


やっぱり受験勉強してるよね?




合宿が終わってから今日までの一週間、何の音沙汰もなくてもどかしくなる。


私から連絡をしようかとスマホを手に取る事は何度もあったが、メールを送って返信がなかったら…と考えるとどうしても翔ちゃんに連絡出来ない。



ここまで連絡がないと夏合宿での出来事が、まるで夢物語だったかと錯覚さえしてしまう。




ここは度胸を決めて、翔ちゃんをランチにでも誘ってみよっか?



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