【完】幼なじみのあいつ
ピンポーン---
家のインターホンがなった。
少ししてお母さんが私を呼ぶ。
声に従い階段を下りると、玄関には翔ちゃんと亮ちゃんが立っていた。
あれ?
こうして二人がそろって家に来るなんて、いつ以来だっけ?
あぁ、小学生以来か…と目をパチパチ瞬きながら笑顔の亮ちゃんと、少しテレたような表情を見せる翔ちゃんに視線を向ける。
「翔ちゃん、亮ちゃんどうしたの?」
「鈴、二人が遊びに来てくれたわよ?」
お母さんにうんと返事をしながらもう一度、玄関先で立っている2人を見た。
突然で、本当にびっくりだ。
「鈴っ、遊びに行くぞ!」
翔ちゃんのその言葉に、私は戸惑いなく頷く。
だって丁度、気分転換したかったところだし。
「ちょっと待ってて。今、着替えてくるね」
自分が今、部屋着だった事を思い出し、恥ずかしくて急いで方向回転して二人の返事も聞かぬまま2階に駆け戻る。
それを見計らったかのようにお母さんが二人に、家に上がって~…と声をかけていた。
このまま遊びに行かず、家に入ってくるのかな?
と思ったけど、亮ちゃんがそれを断っているのが聞えてきた。
どこに行くのだろうか?
久しぶりに三人でお出かけって事に、胸が弾む。
急いで部屋に駆け込んだ私は洋服を引っ張り出し、素早く着替えた。
今日のスカートは、ふんわりシフォンプリーツスカートでいっかな?
あまり丈が短くもなく長くもない、ピンク色の私のお気に入りのスカート。
着替えた後、色付きリップを軽くぬってから下におりていく。
玄関先で楽しそうに談笑している、二人の姿が見えてきた。
二人が笑い合っているのは久しぶりに見たような気がして、その姿に嬉しくて私まで笑顔になってしまう。