【完】幼なじみのあいつ
「お待たせっ!ところでこれからどこ行くの?」
「俺っ、腹減ったわぁ~。取り合えず飯でも食いに行こーぜっ?」
翔ちゃんのその一言で私もお腹が空いていたので、賛成~と手を上げる。
それに便乗した亮ちゃんも、手を上げていた。
それから私達はファミリーレストランまで向かって歩く。
今までの事なんて払拭するかのように、楽しく三人で話しながら…。
ほんと、小学生時代に戻ったようで嬉しくてはしゃいでしまった。
込み合っていたファミレスは、それでも待つ事なく店内に入る事が出来た。
そこでランチメニューを注文しのんびりご飯を食べて、今はバッティングセンターに来たところだ。
翔ちゃんは着いた早々、120コースに行ってしまった。
「鈴、一緒にバッティングセンターに来るの久しぶりだな」
亮ちゃんの言葉で、3人で最後に来たのは小学生だった事を思い出す。
「本当だねっ?楽しみ~。亮ちゃんは野球部だからよく来たんでしょ?」
「あぁ、野球部の奴等とよく来たな…」
そう言った亮ちゃんは何を思い出しているのか、楽しそうに笑みを向けた。
亮ちゃんも野球部を引退してからは、野球部のみんなとは会ってないのかな?
私たちは受験生。
なかなか遊ぶ暇がないし、今が勝負時だしね。
あっ!
そうだっ。
亮ちゃんって、私達とは別の高校に受験するんだっけ?
その事を思い出し、問いただそうと亮ちゃんを見た。