【完】幼なじみのあいつ


「亮ちゃんっ」


「ん?」


「…高校は私達と別の高校に行くって聞いたんだけどどうして?」



じっと私を見つめたその瞳はその後、寂しそうな…、それでいて悲しそうな色を見せながら顔を歪ませる。




「…それ、聞くの?」


その言葉に亮ちゃんに聞いてはいけない事だったんだと後悔し、誤った。




「…ま、別にいいけど。………お前達、2人を見ているのが辛いから、…だから高校は別にしたんだ。これでいい?」


「えっ?私と翔ちゃんが…つ、付き合い始めたのは夏合宿からだよ?亮ちゃんが志望校を変えたのってその前だよね?」



私の言葉にニッコリ微笑みながら、お前達が上手く行く事はとっくに分かっていたと言われてしまった。


ビックリだ。




何で分かっていたのかな?




「ま、何にしても上手くいって良かったな。鈴…」


その言葉と共に亮ちゃんが、ふわりと私を抱きしめてきた。


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