【完】幼なじみのあいつ
カッキーーーーンッ---
機械によって投げ込まれたボールを力強く飛ばす亮ちゃんに、見惚れてしまった。
「鈴、…亮平の事、後悔してないよな?」
「後悔?してないよ。…そりゃあ亮ちゃんには申しわけないとは思ってるけど、私だってずっと翔ちゃんの事が好きだったんだよ?」
好きと言う言葉を口にするのが気恥ずかしくて翔ちゃんの顔が見れず、ついつい亮ちゃんを目で追ってしまう。
そんな私を見つめる翔ちゃんの視線が恥ずかしい…。
「なら…、いいんだけど。まっ、後悔してるっつっても、もう離してやんねーけどな」
翔ちゃんの何気ない言葉に顔が赤くなる。
本当に、もう離さないでね?
心配でつい翔ちゃんを見たら丁度、翔ちゃんの顔が近づいてきたところだった。
唇と唇が少しだけ触れ合い、すぐに離れていく---
「鈴、俺もお前がずっと好きだった…」
その言葉の後に、自分の気持ちに気がつかなかったけどなっ、なんて言いながら照れ笑い---