【完】幼なじみのあいつ
「何?翔のヤツ、また宿題やってこなかったのか?」
野球部の朝練を終えたばかりの亮ちゃんは、私に話しかけながらジャージから学ランへと着替えていく。
部室があるのに何で、教室で着替えるのだろう?
以前、疑問に思って聞いてみたら朝練後の部室はかなり込み合っていて、着替える状況ではないらしい。
だから荷物だけを持って、教室で着替えるのだそうだ。
因みに野球部の朝練は主にジャージで、放課後の練習はユニホーム。
着替える亮ちゃんを、私はガンミ。
体操服越しから見える亮ちゃんの身体はガッシリとしていて、とっても良い身体だ。
うーん成長したわね!
亮ちゃんの身体を見ながら、うんうん頷く。
「そうなのよ!いくら部活で疲れてるからって、宿題をやらないのってダメよね?私や亮ちゃんだって部活で疲れてるのに、それでもちゃんとやってるんだよ?」
まーな…、何て言いながら学ランのボタンを閉めていく亮ちゃん---
そんな亮ちゃんを周りの女子がチラチラ見てるの、知らないんだろうな?
本当、もてる幼なじみばかり周りにいてやだやだ---
むーっと膨れていると、亮ちゃんは私の膨らんだほっぺたを軽く突付ついてきた。
ぷすっと、ほっぺたの中の空気が抜けてへこむ。