【完】幼なじみのあいつ


「え?!りょ、亮ちゃん?」



私の声に亮ちゃんはチラッと私を見て、一呼吸置いてからまた話し出す。


相変わらず冷静に---




「まだ付き合ってはいないが、気長に待つつもりだ。自信はある」



自信はあるっ…て?


私は翔ちゃんが好きなのに、他の誰かと付き合うなんて今はまだ考えられないよ?




「えっ?!……鈴、お前、亮平と付き合うのか?」


「…えぇっ?えっと………」




沈黙---


付き合う気はないけど、今ここでそれを言う事じゃないような気がして黙ってしまった。




「…鈴、付き合うな」


「へっ?」



付き合うなって…、


亮ちゃんと?





えっと…?


何で翔ちゃんに、そんな事言われなくちゃいけないの?




「お前は…、ずっと誰とも付き合わずに俺のそばにいて欲しい」



誰とも……、


付き合わずに?






なんで?




じゃぁ、翔ちゃんは?


私は誰とも付き合っちゃダメで、翔ちゃんは付き合っていいって言うの?





何か矛盾してない?


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