【完】幼なじみのあいつ


「お前には早紀という女がいるのに、鈴には付き合うなと言うのか?勝手な事を言うな!」


亮ちゃんも翔ちゃんがおかしな事を言ってるのに気付き、ジロリと睨む。




「…分かってる、変な事言ってるって。でも鈴はずっと、俺の傍にいるって心のどこかで思ってたんだ。…たとえ俺が結婚しても、ずっと…」



なぜ、翔ちゃんがお嫁さんと一緒にいる横で、私も傍にいなくちゃいけないのよ?





「冗談言わないで!なに勝手な事言ってるの?どうして幸せそうにしている翔ちゃんの横で、それを見ていなくちゃいけないのよ?勝手すぎるよっ!!!」




翔ちゃんの勝手な言葉に頭にきて、怒鳴ってしまった。




イライラする---


今だって翔ちゃんが早紀ちゃんと仲良くしている姿を見るたび辛くて苦しいのに、これを一生続けろって言うの?




涙が目頭まで込上げてきた---


それでも何とかグッと耐え、翔ちゃんを睨みつけた。



翔ちゃんは一瞬私と目を合わせるが、すぐに気まずそうに視線を逸らし下を向いてしまう。



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