【完】幼なじみのあいつ
「仲直りもなにも、喧嘩ではないんだよなぁ。ただ亮ちゃんと私が話してると、翔ちゃんがイライラしながら邪魔をしに来る感じ?」
この関係性が、私には上手く説明できない。
逆に私が、説明して欲しいくらいだよ…。
「…翔君、鈴の事が好きだから邪魔してるんじゃない?」
えぇっ?!
ズッコケちゃったよ、私。
「それはないでしょ?だって翔ちゃん、彼女いるんだし」
横に当の本人がいるから、すっごく小さな声で香織にコソコソ話す。
「そうだよねぇ…。何かさ、亮介君と鈴の邪魔をしている翔君ってまるで俺の娘に手を出すなーッ、って言う親父みたいだよね?」
くすくすと笑う香織を見ながら、うーん…と唸る私。
言われてみれば…?
「…そうだね」
なんて納得しながら苦笑い。