【完】幼なじみのあいつ
「翔ちゃん!」
突然視界に現れたのは、翔ちゃんの彼女の早紀ちゃん。
翔ちゃんに会えた事が嬉しかったのか、零れんばかりの笑顔を振りまきながらで走り寄って来た。
翔ちゃんの隣に座っている美香としては、あまりよろしくないこの状況に目を吊り上げている。
まぁ、相当翔ちゃんに入れ込んでるからね美香は---
「ね、翔ちゃん。時間になるまで2人で一緒にいよう?」
あれ?今の時間は班行動じゃないとダメなんだよね?
私の親友の香織とアイコンタクトを取ると、香織もうんうん頷いていた。
「ちょっと!勝手な事言わないでよね。今は班行動の時間だよ?」
だから美香、ちょっと顔が怖いよ?
「…ご、ごめんなさい。班行動してない人、結構いるからいいかな?って思ったんだけど……。翔ちゃん…、ダメ?」
申し訳なさそうな顔をした早紀ちゃんは、翔ちゃんに上目遣いで目を潤ませる。
そんな可愛い顔、反則だよ。
翔ちゃんも早紀ちゃんのそんな可愛さに、顔をデレッとしていた。