【完】幼なじみのあいつ


目に飛び込んできた光景に驚いた私は、そのまま身体が固まってしまう。



え?



これはもしや、翔ちゃんと早紀ちゃんのラブシーン?


私の目の前で二人は、抱き合っていたのだ。




ううん…、正確には違う。


早紀ちゃんが翔ちゃんの背後から腕を回し、抱きしめていた。



何で…、


こんな場面に遭遇してしまったんだろう?



好きな人のラブシーンなんか、見たくもないのに…。




すぐに踵を返そうとしたところで、二人が動き出す。


さっさとここから立ち去っておけばよかったのに、何故か私の足はそのまま縫い付けられたように動けなくなっていた。



二人から視線を反られない私はそのまま食い入るように、目の前の光景を見る。




「…翔ちゃん」


翔ちゃんを後ろから抱きしめていた早紀ちゃんが、そっと身体を離す。


そしてそのまま、翔ちゃんの真正面に立った早紀ちゃん。




「っ!!!!」


早紀ちゃんが翔ちゃんの首に腕を回す。






そして…、


二人はキスをした。





目の前が、真っ暗になった気がした。


また、あの時の再現?



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