【完】幼なじみのあいつ


どれくらい…、


時間が経ったのだろうか?




時間の感覚が分からなくなるほどの長い時間、しゃがみ込んで泣いていた私。


気持ちはまだ落ち着いてはいないけど、それでも時間を気にするくらいには落ち着いてきた。




フラフラと力なく立ち上がった私は、自分の部屋に向かって歩き出す。



今だ脳裏を埋め尽くす、二人のキスシーンに胸がズクズク痛む---




「はぁーーーーっ…」


息をはき出し、気持ちを落ち着かせてから自分の部屋をノック。




あれ?


誰もいない?



気配のない部屋の前で、唖然と扉を見つめる。




………あぁ、そっかぁ。


もう、夕飯の時間なのかな?


夕御飯の場所って…、どこだったっけ?



重い足取りでエレベーターの中に入り各階の案内の書かれた紙を見ると、どうやら二階に御飯を食べる広間があるらしい事が判明。



エレベーターが二階に到着し扉が開くと、ざわついた声が聞こえてきた。


やはりこの階のようだ。



のろのろと歩き大広間を覗き込むと、たくさんの生徒が所狭しと座って美味しそうに御飯を食べていた。


そっと何事もなかったかのように部屋の中に入った私は、自分のクラスをキョロキョロ探す。





あ、いた---


すぐに自分のクラスを見つける事の出来た私は、そのまま見知った人物に向かって歩き出した。





「あっ!すーず!!おそいぞーっ」


近づく私をすぐに見つけてくれた香織。



その香織が私に向かって手招きしていたが、私が近づくにつれ驚きの表情へと変えていく。


そして香織の目の前で止まると、ついには手が止まってしまった。



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