【完】幼なじみのあいつ
「ちょっと翔ちゃん!頭、叩かないでよね」
ひそひそと翔ちゃんを睨みながら言うと、翔ちゃんはどこ吹く風…という態度だ。
「俺、起こしてやっただけ。ありがたく思えよな」
にへらっと笑ってからまた、翔ちゃんは宿題に取り掛かる。
HR中に宿題をやるのと寝てるの、どっちもどっちじゃない?
私も頭を叩いてやろうかしら?
ギッと翔ちゃんを睨むが効果なし。
ため息をはきながら顔を翔ちゃんから先生に向けようとした時、教室の真ん中辺りに座っている亮ちゃんがこっちを見ている事に気付いた。
亮ちゃんに軽く手を上げると、亮ちゃんも手をあげ返してくれてから前を向く。