絡繰りに潜む誘惑

「まったく、ツレねぇおチビさんだぜ。ほら、城に用があんだろ?入れよ」


手の魔法陣がぽうっと青白く淡い光を放った。

と、同時に砦の門が金属の鈍い音を立てて開いた。


どうやらこの門は魔法じゃないと開かないらしい。


「ありがと」


おチビさん…と言われたことに多少の苛立ちを覚えたが、いつもの事だと流し、短い礼を吐き捨て俺は城の中に足を進めた。


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