絡繰りに潜む誘惑


「俺は女じゃないっ!!」


俺は、怒鳴った。
そうでもしなければ、自分を見つめる彼の双眸に胸を高鳴らせてしまいそうだったから。


彼はその双眸を大きく見開いた。
相当吃驚したのであろう、思考停止したかのように硬直しその場に立ち尽くしている。


俺は苛立ちと戸惑いでいてもたってもいられなくなり、逃げるかのようにその場から走り去った。

それが俺とアイツの始まりだったーー
< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop