夏祭り*幼馴染を振り向かせたいっ!
おかしいよ。
昴何かの事件に巻き込まれたのかな…?
焦った私の手に当たったのは、
「…ケータイ」
…あっ!
昴に電話すればいいんだ!
私天才!。と、思いながら、いつの間にか打ち慣れてしまった番号を打ち、耳にケータイをあてる。
数回のコールののち、ブチっとコール音が切れたから、昴が出たと思った私は笑いながら言葉を紡いだが、それは、
「昴のバカ。約束の時間とっくに過ぎてるんだけ…、ど…」
「おかけになった電話番号は……」
無機質な女性の声で、途中でとまる。
だらんとケータイを持っていた手が重力に従うように力なく落ちる。
きっと今は電話に出れないだけ。
噴水の前でしゃがみこむ。
大丈夫。
昴は絶対来てくれるから。