夏祭り*幼馴染を振り向かせたいっ!
浴衣がはだけるのだって、髪型が崩れるのだって、ゲタの鼻緒で指の間が痛くなるのだって気にせず無我夢中で走る。
これは悪い夢だ。
きっと昴にとてつもなく似たそっくりさんがいたんだ。
自分のいいように思い込もうとするけど、そんなこと無理で。
思い浮かぶのは、腕を絡めて歩く昴と知らない女の人。
そこまで思って、あっと顔を上げた時、いろんな人が私に向かって叫んでいた。
何だろうと思い横を見ると、スローモーションのように迫ってくるトラック。