夏祭り*幼馴染を振り向かせたいっ!
全然力の入らない腕を頑張って昴の頭の上に持って行く。
「…はな……?」
情けなく顔を歪める昴。
「.…か…いで」
泣かないで。
昴の頭を撫でたいのに力が入らず、おいたままの状態。
「泣かないから、死なないでくれ…」
自由のきかなくなった私の身体を抱き寄せて弱々しく言う昴。
それは流石の私でも約束出来ないかな。
そんな昴を安心させるように笑みを浮かべる。
言うか言わまいか迷ったけど、きっと今しかないと思うから。
だから今言うね。
「…す…き」