CANDY*BOX〜天使と悪魔とそれから私〜
「じゃあ雨,どうしてあなたは私を迎えに来たの?」


落ち込んだ気分を振り払い,未だに部屋の隅でいじけている雨に聞いた。
一旦凹むと根に持つタイプらしい。


「フグ,食べましたよね?」


こちらを振り向いて言った。


「うん。…でもあれ?ちょっと待って!それは結果的に私の兄を助けたことになってそれで…」


「本当は」


少し鋭い雨の声が制した。


「あのフグはお兄様の物だったはずですの。フグだけではありません,お姉様のケーキだって食べたでしょう!」


「……」


何も返す言葉がない。

私のしてきた事。
まさかそんな重大な罪だとは思っても見なかった。
知っていたら,盗み食いなんてしなかったのに。
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